ECマーケティング

「カゴ落ち」の10の原因と対策マニュアル

カゴ落ちとは?

ECサイトの利用者が、欲しい商品をショッピングカートに追加したまま購入に至らないことを「カゴ落ち」と呼んでいます。ただし、「商品を一度はカートに入れた」ということは、その商品に対して何かしらの興味を持っており、購入を希望している可能性が高いと言えます。そのため、購入を促すようなアプローチを行ってもうひと押しすれば、購入に至る可能性が高まるでしょう。このように、カゴ落ちした商品を購入してもらえるように促すことは「カゴ落ち対策」と呼ばれています。

ECサイト利用者の約7割はカゴ落ちしている!

世界のECサイトでは、カゴ落ち率はおよそ7割といわれています。これはECサイトで1000人のユーザーがショッピングカートに商品を入れたと仮定すると、そのうちの700人が購入まで至らない、いわゆる「カゴ落ち」しているということを意味しています。この数字に着目すると「適切なカゴ落ち対策を行うと、売上アップにつながるのではないか」と考える経営者も多いでしょう。たとえば、ECサイトの客単価が3000円とします。このケースで5%のカゴ落ちを改善できると仮定すると、35人のユーザーが商品を購入することになり、10万5000円の売上アップが見込めます。

このことからもわかるように、適切なやり方によるカゴ落ち対策は、ショップの売上に対する貢献度が非常に高いと言えるのです。カゴ落ちの原因などを正しく理解したうえで売上につなげている日本国内の大手ECサイトでは、カゴ落ち対策が徹底的に行われているのが現状です。そのため、世界的に見るとおよそ7割といわれているカゴ落ち率も、大手ECサイトの場合は40~45%となっています。

カゴ落ちが起こる原因

カゴ落ちの対策を行うためには、まずカゴ落ちの原因を理解しなくてはなりません。Bay Institude(※)の調査によると、「送料や手数料が高かった」が、カゴ落ちの最大の原因です。他にも以下の10個が挙げられます。

  • 送料や手数料が高かった
  • 購入する際にアカウント作成が必要だった
  • 決済までの手順が複雑だった
  • 合計金額を事前に知ることができなかった
  • サイトが信頼できず、クレジットカード情報を入力したくない
  • 配送が遅すぎた
  • 途中でエラーが起きた
  • お店の返品ポリシーに不満があった
  • 希望の決済方法がない
  • クレジットカード決済が拒否された

出典:Bay Institude

このようにカゴ落ちにはさまざまな原因があります。売り上げアップのために、それぞれの原因に対して対策を行い、改善していく必要があります。

カゴ落ちを防ぐ対策

ここまでカゴ落ちの原因を紹介しましたが、ここからはカゴ落ちを防ぐための対策を解説していきます。

送料を無料にするか、事前に合計金額が分かるようにする

ECサイトを利用している人のなかには、予算を設定したうえで計画的に買い物をしている人もたくさんいます。一度は商品をショッピングカートに入れた場合でも、購入画面に進んだときに自分が予想していた以上に費用がかかることがわかると、結果として購入を控える可能性があるのです。実は「送料や手数料が高かった」というのが、最も多いカゴ落ちの理由といわれています。

ECサイトで商品を購入する場合、送料や手数料、消費税などのコストがかかります。商品の金額は予算内におさまっていたとしても、送料・手数料などが上乗せされると「思っていたよりも金額が高い」という考えにつながるのです。したがって、商品の価格と実際に支払う代金は、できるだけ差がないほうが購入に至りやすいと言えるでしょう。

このような理由でカゴ落ちするのを防ぐためには、送料や手数料などの商品以外のコストはできるだけかからないようにすることがポイントです。送料・手数料など、商品価格に含まれていない費用が必要となるのであれば、購入手続きより前の段階で、ユーザーに情報を伝えておくようにしましょう。ショッピングカートに商品を入れる段階で送料などがかかることに利用者が気づくと、カゴ落ちが防ぎやすくなります。購入時にかかる費用を早い段階で伝えているECサイトは、利用者にとって親切です。売上を伸ばすためにも、利用者の視点に立った親切なサイトを目指しましょう。

会員登録なしで購入できるようにする。会員登録を簡単にする

ネットショップの多くは会員登録しなければ購入できません。ネットショップの運営者からすると、お客様に会員登録していただき、次回の購入に繋げたいところです。しかしお客様からすると、会員登録しなければならないことで、心理的ハードルが高くなり購入意欲が消えてしまいます。

解決方法として、会員登録なしでも購入できるようにすることが挙げられます。しかし、実現が難しい場合は会員登録方法を簡単にすることなどで対策できます。

購入までのステップをなるべく減らす

ECサイトを利用する人のなかには、商品を手早く購入することを主な目的としている人もいます。そのため、購入までのプロセスがあまりにも長すぎると、入力が面倒などの理由から次のステップに進むこと自体をやめてしまう可能性があるのです。一般的なECサイトでは、商品をカートに入れることから始まり、届け先の住所の入力、支払い情報の入力、確認画面、完了画面というようなステップを踏んだ上で商品の購入に至ります。この一連のステップを「長すぎる」と感じる人は少なくありません。

商品をより多くの人に購入してもらうためには、画面が遷移するのを極力少なくすることがポイントです。たとえば、商品をカートに入れて、確認画面(届け先の住所、支払い情報の入力)、完了画面というように、画面遷移を減らして購入までのプロセスをシンプルにしてみましょう。これだけでも利用者の離脱を防ぐことはでき、一定の効果を見込めると言えます。加えて、入力中のバナーなどを減らして、入力作業が速やかに完了するような工夫をするのも効果的です。

決済サービスを導入し、決済手段を増やす

利用者の希望する決済方法がない場合も、カゴ落ちする可能性があります。ECサイトの利用者は、クレジットカード決済を利用する人が多くいます。しかし、すべての利用者がクレジットカード決済を希望しているわけではありません。クレジットカード決済を選んだ場合、家族会員だと購入履歴が家族に知られてしまいます。そのため「ECサイトでの購入履歴を家族に知られるのは嫌だ」という人にも商品を購入してもらうために、クレジットカード決済だけでなく、できるだけ多くの決済方法を導入しておくのが理想的です。

売上ランキング上位のECサイトでは、クレジットカード、コンビニ決済、商品代引き、その他キャッスレス決済(決済)など、4つ以上の決済方法を導入しているケースが多く見られます。後払い決済のatone(アトネ)なら無料の会員登録を済ませるだけで商品の購入が可能です。商品の代金は翌月にまとめてコンビニで支払えばよいので、誰でも気軽に利用できる決済方法と言えるでしょう。

atone(アトネ)についての詳しい資料はこちら

カゴ落ちメールを送る

そもそも、商品をショッピングカートに入れたこと自体を忘れていると、購入にはつながりません。ECショップを利用する人のなかには、在庫を確保するために「とりあえずカートに入れておこう」とアクションを起こす人もいるのです。加えて、ほかのサイトと値段などを比較するという目的で、商品をカートに入れる人もいます。一度は興味を持った商品であるため、カートに入れていることを思い出すと購入につながる可能性があります。

商品をカートに入れたことを忘れている人には、カートに商品が入ったままになっていることをメールで伝えてみましょう。この対策は「カゴ落ちメール」と呼ばれています。カゴ落ちメールが届くと、軽い気持ちで商品をカートに入れた利用者に対してのリマインド効果が期待できます。ほかのサイトへの流出を防いで購入確率を上げるためにも、確認メッセージを送るなどの工夫をしましょう。

カゴ落ちメールのポイントやメール文面について詳しく知りたい方は下記ををご覧ください。

【例文付き】カゴ落ちメールとは?メール配信のポイントと文面を解説

入力フォームの最適化、サーバーの強化

ECサイトの利用時に原因不明のエラーが出ると、利用が遠のいてしまうケースがあります。たとえば、利用者が情報を入力するときにエラーが出て先の画面に進めなくなってしまったとしましょう。すると、商品の値段がほかのサイトより安かったとしても、エラーが出ただけで他サイトへ流出してしまう恐れがあるのです。このような事態を防ぐためには、利用者が簡単に入力・決済ができるような仕組みを作ることが求められます。

エラーが起こる原因としては、半角・全角の違いや、ハイフンの抜け漏れなどが挙げられます。そのため、エラーが出るのを防ぐために、EFO(入力フォームの最適化)を試してみるという方法も効果的です。またクレジットカードの情報を改めて入力しなくても、商品の購入ができるキャッシュレス決済の導入なども検討してみましょう。この方法なら、住所の入力まで省略ができ、スムーズに購入につなげることができます。また、サーバーの強化をしてサーバーダウンが起こらないようにもしておきましょう。

SSL証明書のロゴを表示する

ECサイトを利用するときには個人情報を入力します。そのため、安全かどうかわからないサイトでの商品購入はためらってしまうのが一般的な考えです。安全性が不安視されるECサイトの場合は、カゴ落ちはもちろんのこと、サイト自体の離脱率も上がるため注意が必要です。

サイトの安全性をアピールしたいなら、SSL証明書のロゴを表示するという方法があります。このロゴがあると、サイトの利用者に対して「個人情報を保護している」や「安全なサイトである」ということが伝わります。SSL証明書の期限切れは通知されるので、すぐに更新をしましょう。

配送方法の選択肢を増やす

購入を急いでいる顧客は、配送日数がかかることで購入をやめてしまう場合があります。

購入を急いでいる人のために急いで配送するオプションを設けたり、配達日指定を行えるようにするなど、配送方法の選択肢を増やすとよいでしょう。

返品の条件を明確にする

返品条件が明確でないと、顧客が購入を躊躇するケースがあります。たとえば、衣服をECで購入する際には、サイズが合わない懸念があります。その時、返品可能かどうか分からなければ購入をやめてしまう恐れがあるのです。

返品の条件を明確にし、分かりやすい所に記載しておけば、安心して購入していただけるようになります。

売上アップに直結!決済拡充とカゴ落ちメールがオススメ!

この記事では、ここまでカゴ落ちの原因と対策についてたくさん紹介してきました。有効な対策がとれるに越したことはありませんが、これだけ対策が多いと、どれから始めればよいか迷う経営者もいるでしょう。ここからは、カゴ落ちに対して最も効果が期待できるといわれている「決済拡充」と「カゴ落ちメール」について紹介します。これらの対策は売上に直結するため、参考にしてみましょう。

カゴ落ち対策で、導入すべき決済とは?

希望する決済手段が見つからない場合、70%もの顧客が離脱するといわれています。ECサイトの決済方法として、クレジットカード決済・後払い決済・代引き決済は利用率が高いものです。そのため、サイトからの流出を防いで売上アップをするためにも、少なくともこれら3つの決済方法に関しては導入しておいたほうがよいと言えるでしょう。これら3つの決済方法を導入し、しばらくのあいだECサイトを運営したうえで、自社の顧客属性に合ったキャッシュレス決済や後払い決済の導入を検討することが望まれます。

後払い決済の導入ならatone(アトネ)がオススメです。atone(アトネ)なら無料の会員登録を済ませるだけで商品の購入が可能です。さらに、後払いサービスで唯一ポイントサービスを提供しており、リピート率向上にも貢献します。

atone(アトネ)の特徴や導入実績については、より詳しくご覧いただける資料を用意しています。気になる方はぜひ資料をご確認ください。

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選択率20%超えの atone でカゴ落ちを改善

実際に、ネイリストとユーザーをつなぐSNS型予約アプリ、Nailie(ネイリー)はatone(アトネ)導入後の2ヶ月で流通総額が157%増加しています。従来カゴ落ちしていたユーザーの獲得に成功したことや、SNSでの拡散効果が大きな要因であると考えられています。
また、atone(アトネ)は決済の中で選択率が20-25%と高く、新規顧客の獲得にも繋がっております。

流通総額(GMV)ついて詳しく知りたい方は下記ををご覧ください。

GMV(流通取引総額)とは?計算式や用途を紹介

上記で挙げたように、atoneはカゴ落ち対策や新規顧客の獲得に有用です。さらに詳しくatone(アトネ)の導入事例をご覧になりたい方は導入事例をご覧ください。

カゴ落ちメールってなに?

カゴ落ちメールとは、カゴ落ちしたECサイトの利用者に対して「カートに商品が残っている」ということを思い出してもらうためのメールです。一度でもカートに商品を入れたということは、その商品に興味を持っているという意味があります。そのため、カゴ落ちメールを送ると、最終的にECサイトに呼び戻すことが期待できるのです。カゴ落ちメールを送るタイミングは、経営者が自由に設定できます。たとえば「今から1時間後」「商品の在庫が少なくなったとき」「商品が値下げしたとき」などがメールを送るタイミングとして挙げられます。

EC業界のトップ100サイトでのカゴ落ち対策実施率は22%です。この22%という数字からもわかるように、国内ではまだカゴ落ち対策はあまり浸透していません。しかし、欧米ではカゴ落ち対策に積極的に取り組む企業が増えつつあります。今後は日本国内でもカゴ落ち対策は行われる可能性が高いため、早めに自社にとって適切な対策を行っていきましょう。

効果的なカゴ落ち対策でECサイトの売上を上げよう!

この記事では、カゴ落ちとはどのようなことかを紹介し、効果的な対策まで網羅的に解説していきました。代表的な施策はカゴ落ちメールですが、ほかにもさまざまな施策があります。そのため、ECサイトの経営者は、自社のサイトの状況に合わせた施策を試してみることが大切です。適切な対策を講じることで、利用者と会社の双方に有益なサイト作りを行い、売上を伸ばしていきましょう。

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