ECマーケティング

アップセルとクロスセルの違いとは?顧客単価を上げる方法・事例

アップセル・クロスセルは、ECサイトの顧客単価を伸ばす上で重要な営業手法の1つです。アップセル・クロスセルを効果的に実現することで、顧客単価アップにつなげることができます。

本記事では、アップセル・クロスセルの違いや成功させるためのポイントについて解説します。アップセル・クロスセルを実現した具体的な成功事例にも触れていますので、ぜひ参考にしてください。

アップセルとは?

アップセルとは、顧客が購入したもの・購入しようとしているものよりも上位の商材を提案し、購買してもらうことを指します。たとえば1,000円のコーヒー豆を購入したことのある顧客に対し、より厳選された豆を使用した1,500円の商品を提案する場合、顧客が1,500円のコーヒー豆を購入してくれればアップセルが実現したと捉えてください。

同じ顧客が1,000円の商品を購入する場合と比べて、1,500円の商品を購入する場合のほうがより多くの売上を確保できます。このように、アップセルは売上を伸ばすための手段として注目されているのです。

アップセルのメリット

アップセルのメリットは、現実的かつ効果的な方法で顧客単価アップを目指せることです。過去に商品を購入したことがある、あるいは今まさに購入を検討中の顧客が対象のため、アプローチしやすい点が大きなメリットといえます。顧客単価を上げるために多大なコスト・労力をかけることなく、効率よく売上アップを目指せるでしょう。

実際、上位グレードの商品を初回から購入してくれる顧客を探すよりも、商品の長所やメリットを実感している既存顧客にアプローチするほうが成約率は高いはずです。無理なく売上アップを実現しやすいことは、アップセルを目指すメリットといえます。

クロスセルとは?

クロスセルとは、ある商品を購入しようとしている顧客に対して関連する別商材の同時購入を案内することを指します。別商材としては主商材の補助する役割を果たすものや、関連ニーズに応えるものなどが想定できるでしょう。

たとえば、コーヒー豆の購入を検討している顧客は、コーヒーを淹れる際にさまざまな道具を使用するはずです。長年使ってきたサイフォンやコーヒーカップの買い替えを検討している可能性もあります。こうした関連ニーズに応えることで、別商材を無理に勧めることなく自然な形で顧客単価を上げられるのです。

クロスセルのメリット

クロスセルでは、主商材の補助的な位置づけの別商材や関連性の高い別商材を提案できる点が大きな特徴です。多大なコストをかけることなく顧客単価の向上による売上アップを狙いやすいというメリットがあります。

また、購入を検討している商品をより便利にお使いいただくための別商材を提案することで、商品の良さをいっそう実感してもらえる場合もあるでしょう。顧客の側から見ると「気の利いた提案」「タイミングのよい案内」として映るため、ブランドイメージのアップや顧客ロイヤリティの向上にもつながる可能性があります。

アップセルとクロスセルの違いを解説

アップセルとクロスセルは、いずれも顧客単価アップを実現するための施策です。では、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。

アップセルとクロスセルの主な相違点は「顧客へのアプローチ方法」と「提案するタイミング」の2つです。顧客にアプローチする際、アップセルの場合はよりグレードの高い類似商材を提案します。もともと購入しようとしていた商材の長所をさらに実感できる商材の提案を受けることで、購入する対象を変更するのです。一方、クロスセルでは購入する商材の関連商品を同時に提案することから、購入する商品の点数が増えることになります。

顧客への提案に適したタイミングとしては、アップセルの場合は購入前、クロスセルの場合は購入後です。購入前の時点で別の商材を提案されると、顧客にとって検討すべきことが増えてしまうため煩わしく感じるケースもあるでしょう。購入後に「この商品も併せてご購入されてはいかがですか?」と提案することで、クロスセルが実現しやすくなるのです。

アップセル・クロスセルの重要性とは

アップセル・クロスセルという手法自体は、最近になって登場したものではありません。しかし、市場が飽和状態に達し、新規開拓が困難になっている昨今、アップセル・クロスセルによる顧客単価の向上が再注目されているのです。

新規顧客を獲得するためのコストは増加傾向にあります。営業活動において、既存顧客にアプローチする重要度が高まっている状況といえるでしょう。1人の顧客がある企業・ブランドに生涯にわたって使う総額のことをLTV(ライフタイムバリュー:顧客生涯価値)といいます。新規顧客の獲得が難しくなっている今、LTVを向上させるための施策としてアップセル・クロスセルの重要性が増しているのです。

アップセル・クロスセルの成功のポイントを確認

アップセル・クロスセルを成功させるには、どのような点を意識すべきでしょうか。とくに留意しておきたいポイントとして、次の2点が挙げられます。

顧客の視点に立って考える

アップセル・クロスセルに取り組む際には、顧客の視点に立って考えることが非常に重要です。売り手の都合で顧客にアプローチしてしまうと、顧客にとって不要な商材を無理に提案しているかのように映る恐れがあります。結果として提案した商品を購入してもらえないばかりか、「要らないものを買わされそうになった」と感じることで顧客ロイヤリティが低下するといった問題が生じかねません。

たとえば、上位グレードの商材を購入するハードルが下がるよう割引を実施したり、組み合わせ購入によって追加サービスが受けられるように工夫したりすることで、顧客にとってメリットのある提案をすることが大切です。売り手側の論理で商品を勧めることのないよう、十分に気をつけてください。

顧客データをしっかり分析する

アップセル・クロスセルに取り組む際には、顧客データをしっかりと分析することが大切です。顧客のニーズを把握した上で適した商材を提案することにより、購入に至る確率を高めることができます。

顧客のニーズは感覚や先入観にもとづいて判断するのではなく、客観性の高いデータを用いて分析する必要があるでしょう。例えば、顧客層や閲覧数、購入頻度といったデータを収集することで、「最近別の関連商品を閲覧した履歴が残っている」「この商品にも興味があるようだ」と客観的に判断できます。アップセル・クロスセルに取り組むのであれば、具体的な根拠を持って提案することがポイントになると捉えてください。

アップセル・クロスセルの成功事例とは

アップセル・クロスセルに成功した事例として、具体的な施策を紹介します。実際にアップセル・クロスセルの施策を講じる際のヒントにしてください。

無料プランから有料プランへアップセルする事例

これまで無料でサービスを利用していた顧客に対して、有料プランのメリットなどを訴求し、プランの切り替えを促す施策です。すでに無料プランを利用する中で商品・サービスのメリットを実感している顧客であれば、より多くのメリットを得られるイメージが湧きやすいでしょう。

ただし、無料から有料に切り替えることは、顧客にとって少なからず心理的なハードルとなりがちです。有料プランをいくつか用意し、まずは比較的少額で始められるプランから提案するなど、参入障壁を低くしておくことが大切です。

季節に合わせてクロスセルを取り入れる事例

季節商材をクロスセルに取り入れるのも有効な方法です。顧客が商品を購入する時期を考慮し、季節に合った提案をすることで同時購入の成功率を高めることができます。

たとえば、クリスマスが近い時期に商品を購入した顧客は、家族やパートナーなどへのプレゼントとして購入している可能性があります。ラッピング関連商品やメッセージカードを提案することで、併せて購入してもらえる場合もあるでしょう。顧客が購入した目的を深掘りしていくことで、より自然な形でクロスセルを実現しやすくなるはずです。

アップセルとクロスセルをうまく活用して顧客単価アップにつなげよう

アップセル・クロスセルは、顧客単価アップを実現する上で重要な戦略といえます。どちらも顧客単価アップを目指す施策とはいえ、アプローチ方法や提案に適したタイミングは異なる点に注意が必要です。売り手の都合で無理に商品を勧めている印象を抱かれないよう、顧客の視点に立った提案をしましょう。今回紹介したポイントや事例を参考に、ぜひ効果的なアップセル・クロスセルの施策を考案してみてください。

EC・デジコン事業者様におすすめの決済サービスのご紹介

ECサイトでの売上を高める有効な取り組みの1つに、決済方法を充実させることが挙げられます。ユーザーのニーズに応じて多様な決済手段を用意しておくことは、LTVの向上やカゴ落ち防止、新規顧客獲得につながるでしょう。

atone(アトネ)は、業界最低水準の手数料で利用できる後払い決済サービスです。業界唯一のポイントシステムによりリピート率アップにも貢献します。

atone(アトネ)の特徴や導入実績について、より詳しくご覧いただける資料をご用意しています。気になる方はぜひ資料をご確認ください。

資料請求(無料)はこちら

おすすめのお役立ち情報

お役立ち情報一覧を見る

より詳しい情報を知りたい方は、
お気軽にお問い合わせください