ECマーケティング
【必見】顧客満足度の指標一覧|測り方・算出方法をまとめて解説
顧客満足度は、企業がブランドとしての信頼を保ち、安定した収益を得るためにとても重要な要素です。しかし顧客満足度を測定する際に、どのような指標を活用すれば良いのか疑問に思っている方も多いかもしれません。
そこで本記事では、顧客満足度の指標やそれぞれの算出方法、指標を図るための調査方法などを解説します。この記事を最後まで読めば、顧客満足度の指標について理解でき、ECマーケティングに活用できるようになっているでしょう。
顧客満足度とは?
顧客満足度とは、自社商品の購入者・利用者が「どれぐらい商品・サービスに満足しているのか」を、客観的なデータとして数値化したものです。明確な定義があるわけではないため、企業によって意味が若干異なる場合もあります。
顧客満足度調査の重要性
顧客満足度は、1980年代から企業経営の常識として定着しました。なぜ顧客満足度調査が重要なのかというと、市場の変化に対応しつつ、継続的に企業価値を高めていくためです。
特に昨今では、市場の価格競争が激しくなっていることもあり、既存顧客をより重視するようになりました。顧客満足度が高ければ、顧客維持率アップやブランド評価のアップにもつながります。
顧客満足度を測る指標一覧
現代では、顧客満足度を図るために、様々な指標が用いられています。意義のある顧客満足度調査を実施するためにも、基本的な指標をおさえておくのが重要です。ここでは、それぞれの指標の特徴や算出式、項目の一覧などを解説します。
NPS(Net Promoter Score)
NPS(Net Promoter Score)は、顧客の企業やブランドに対する信頼を数値化した指標です。計算方法は非常にシンプルで、まずは顧客を以下のように分類します。
点数 | 顧客分類 |
10点〜9点 | 推奨者 |
8点〜7点 | 中立者 |
6点以下 | 批判者 |
回答者全体における推奨者の割合から、批判者の割合を引くことによって、NPSを算出できます。項目の具体例は、以下の通りです。
- 推奨度の点数
- 推奨度の点数をつけた理由
- 評価ポイント
- 顧客自身のプロフィール
JCSI(Japanese Customer Satisfaction Index)
JCSI(Japanese Customer Satisfaction Index)は、文字通り日本版の顧客満足度指数です。業界ごとに分析されており、競合他社と比較しやすいのが大きな特徴となっています。
JCSIは、事前期待値を定めつつ、以下の式によって求められます。
- JCSI=顧客が感じた値-事前期待値
項目の具体例は、以下の6つです。
- 顧客満足
- 顧客期待
- 知覚価値
- 知覚品質
- 推奨意向
- ロイヤルティ
CES(Customer Retention Rate)
CES(Customer Retention Rate)は、「顧客努力指標」を意味する指標です。NPSと似たような指標ではありますが、こちらでは「顧客の負荷」「顧客のストレス」など、顧客が努力しなければならなかった部分(ネガティブな部分)を数値化します。
計算方法はシンプルで、まずは「まったくストレスがなかった」から「非常にストレスがかかった」までの回答を数段階に分類します。7段階の場合の計算方法は、以下の通りです。
- Bottom(1〜3)
- Box(4〜5)
- Top 2 Box(6〜7)
- CES=「TOP 2 Box」の回答数-「Bottom」の回答数/総回答数
CSI(Customer Satisfaction Index)
CSI(Customer Satisfaction Index)は、世界基準の顧客満足度指数です。複数の設問を用意しつつ、回答を平均値をとって数値化します。一般的な中小企業にとっては活用しづらい指標ですが、グローバル企業のスタンダードとして親しまれています。
CSIの項目は、以下の通りです。
- 顧客期待値
- 顧客不満度
- 顧客忠実度
- 知覚品質
- 知覚値
CSAT(Customer Satisfaction)
CSAT(Customer Satisfaction)は、顧客満足度調査のスタンダードな指標として用いられています。「満足」「普通」「不満」などの項目があり、比較的簡単に調整できるのが大きなメリットです。計算方法も単純で、以下のように算出できます。
- CSAT=「満足」の回答数/総回答数
ただしCSATは、短期的な測定になってしまうため、「長期的に測定を行うか他の指標と組み合わせるのが望ましい」とされています。
LTV(Life Time Value)
LTV(Life Time Value)は、「顧客が商品・サービスを購入を始めてから、それが終わるまでのライフサイクル」で得られる売上を指します。計算式は複数あり、特に以下のものが一般的です。
- LTV=平均購入単価×平均購入回数
- LTV=顧客の年間購入額×継続年数×収益率
LTVの数値が高ければ高いほど、顧客のロイヤルティが高い傾向にあります。ただし、すべての顧客に対してLTVを調査するのは、かなりの負担になるので注意が必要です。
▼LTVを最大化する方法について詳しく知りたい方は下記からご覧ください。
CRR(Customer Retention Rate)
CRR(Customer Retention Rate)は、「顧客維持率」を意味する指標であり、新規顧客を一定期間後にどれだけ維持できているかを表します。設定する期間に関しては、特に制限がないため、長期的なスパンで維持率を測定することも可能です。
計算式は、以下の通りです。
- CRR=(期間末の顧客数-期間内の新規顧客数)/(期間開始時の顧客数)
リテンションレート
リテンションレートは、「既存、顧客維持率」を意味する指標であり、CRRと同様に継続率や定着率を表します。計算式は、以下の通りです。
- リテンションレート=継続顧客数/新規顧客数
リテンションレートが低い場合は、商品・サービスの質だけでなく、カスタマーサポートなど「人」の部分にも着目しましょう。リテンションレートの改善によって、先述のLTVの向上にも大きな影響を及ぼします。
顧客満足度調査の方法5つ
顧客満足度調査の方法としては、主に以下の5つがあります。
- アンケート
- インタビュー
- 電話
- モニタリング
- リサーチ会社
上記5つの方法について、それぞれ詳しく解説します。
アンケート
アンケート調査は、顧客満足度調査でよく使われている方法です。調査方法を自由に選べるため、顧客のデータを手に入れやすいといったメリットがあります。一方で、「複雑な回答に対応してもらいにくい」「調査方法によっては回答率が低くなりやすい」などのデメリットには注意が必要です。
アンケートは、対面・非対面問わず、様々なチャネルで実施できます。昨今では、SNSやアプリを活用したアンケート調査も増えているなど、幅広い方法で対応できるようになりました。
インタビュー
インタビューも、顧客満足度調査の方法としてはとても有効です。それまでの回答に合わせて、アドリブで質問や会話内容を変えられるため、柔軟に顧客データを得られるといったメリットがあります。
ただしアンケート調査とは異なり、インタビュアーの存在が必要になるなど、コスト面でのデメリットがあります。インタビューは、対面・非対面のどちらでも実施可能です。
電話
電話調査は、アンケート調査とインタビュー調査の中間をとったような方法です。「手軽さ」「柔軟さ」といったメリットがある一方で、「視覚的な要素を使った調査ができない」といったデメリットがあります。
電話調査は、担当者が直接電話をかけるのと、自動音声の2つの方法があります。自動音声の場合は、コストを抑えやすい一方で、回答率が低くなる可能性があるので注意しましょう。
モニタリング
モニタリングには、顧客へのサンプルの提供など様々な方法があります。顧客満足度調査を前提に商品・サービスを利用してもらうため、開発中のコンテンツを評価してもらうのに適した方法です。
ただし、サンプル代など様々なコストがかかってしまう点には注意しましょう。サンプル提供だけでなく、覆面調査員の活用も、このモニタリングに含まれます。
リサーチ会社
リサーチ会社を活用して、顧客満足度調査を代行してもらう方法もあります。専門的なノウハウを活用でき、信頼性の高い顧客データを得られるのが大きなメリットです。
ただし外部の会社に代行してもらう都合上、高額な外部コストがかかってしまいます。具体的な手法は、数値で結果を表す定量調査と、数値以外の部分にフォーカスした定性調査の2つです。
顧客満足度とあわせて考えたいKPI指標
顧客満足度を測定する際は、KPIを設定する必要があります。KPIとは、業務全体のパフォーマンスを計測するために設定する指標です。ここでは、顧客満足度とあわせて考えておきたい、KPIの指標を4つ紹介します.
顧客維持率・継続率
顧客維持率・継続率は、顧客が継続的に取引をしている割合です。CRRやリテンションレートなどの指標と同じような式で求められます。
特にこれが重要とされているのは、「サブスクリプションサービスを提供している企業」「健康食品・飲料を販売している企業」など、継続的に商品・サービスを購入してもらうのが前提となっているビジネスモデルです。
顧客紹介数
顧客紹介数とは、既存顧客から紹介してもらったことによって、新しく獲得できた顧客数を指します。他の人に紹介するほど、商品・サービスに愛着を持っていることになるため、顧客満足度と相性の良いKPIです。
先述したアンケート調査などで質問し、「サービスを知ったきっかけは?」などの項目を設置して知る必要があります。
リピート購入率
リピート率とは、継続的に自社商品を購入してくれる顧客の割合です。リピート率を知ることで、商品の質の確認・ニーズに沿っているかがわかり、顧客満足度向上につなげやすくなります。
計算方法としては、CRRやリテンションレート、顧客維持率・継続率などと同様です。
▼商材ごとのリピート率の目安やリピート率の上げ方について知りたい方は下記からご覧ください。
返品・解約率
返品・解約率は、以下のような意味を持ったKPIです。
返品率 | 購入された商品・サービスのうち、返品されたものの割合 |
解約率 | サービスを解約した人の割合 |
返品・解約率が高いと感じた場合は、顧客満足度調査などで原因を特定し、改善を試みます。返品・解約率を改善できれば、顧客満足度向上にもつながるでしょう。
まとめ
顧客満足度には様々な指標があり、複数のものを掛け合わせるといった活用も可能です。顧客満足度を正しく測定し、業務の改善に役立てていきましょう。
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