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【例文あり】知っておきたい!督促状の書き方やテンプレートについて
ビジネスにおいて、請求した金額が期日までに支払われなかった際には支払いを催促する必要があります。支払いを催促する手段の1つとして、督促状を送付する場合もあるでしょう。
本記事では、督促状の記載事項や送付の仕方、送る時期など基本的な知識について解説します。この記事を読めば、督促状の適切な送り方が理解できるはずです。催促状や催告書との違いにも触れていますので、ぜひ支払いを促す際に役立ててください。
目次
督促状とは?催促状や催告書との違い
督促状とは、請求した代金などが期日までに支払われなかった際、支払いを求める目的で発行する文書のことです。企業間取引はもちろんのこと、企業と個人との取引や個人間取引においても督促状を発行・送付することがあります。
督促状と似た名称の文書に催促状や催告書がありますが、それぞれ送る時期や送付方法、法的な効力が異なる点に注意しましょう。具体的な違いは下表の通りです。
催促状 | 督促状 | 催告書 | |
送る時期 | 支払い期日を過ぎた時点 | 催促状に記載した支払期日を1週間程度経過した時点 | 督促状を送付しても支払いに応じない場合 |
送る方法 | メール・普通郵便 | 普通郵便 | 内容証明郵便 |
法的な効力 | なし | 時効を6ヶ月間延ばせる | 時効を6ヶ月間延ばせる |
一般的に、支払い期日を過ぎた時点でまず催促状を送付して支払いを促します。催促状に記載した期日を1週間程度過ぎても相手方から返答がない場合に送付するのが督促状です。
多くの場合、支払い期日の超過は相手方のミスや手続きの遅れに原因があります。催促メールを送付した時点で入金されるケースが少なくありませんので、最初から督促状を送ることのないよう注意しましょう。
なお、督促状には差押えなどの強制執行に関する法的な効力はありません。督促状の法的効力は、時効を6ヶ月間延ばせることのみである点に注意しましょう。
▼督促状について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
督促状のテンプレート
督促状に使用できるテンプレートを紹介します。督促状を作成する際には、下記のテンプレートをご活用ください。
令和〇年〇月〇日 株式会社〇〇御中 株式会社△△△△〇〇部 〇〇〇〇電話 〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇 督促状 拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。 先般ご請求申し上げました「〇〇〇」の代金××××円につきまして、〇月〇日の期日を過ぎましても未だ入金の確認が取れておりません。当社としては大変困惑しております。 つきましては、来る〇月〇日(〇)までに下記の口座へお振込いただきますようお願い申し上げます。 【ご利用内容】・ご利用日 令和〇年〇月〇日・商品名 〇〇〇・金額 ××××円(税込) 【お振込先】〇〇銀行〇〇支店 普通〇〇〇〇〇〇〇 株式会社〇〇〇〇 期日までにお支払いいただけない場合、誠に遺憾ではございますが、弊社といたしましても法的措置を取らざるを得ませんことをご理解ください。 なお、本状と行き違いにお振込みいただいておりましたらご容赦願います。 敬具 |
督促状に記載する項目について
督促状には必要な項目を漏れなく記載する必要があります。記載するべき項目は次の8点です。
- 相手方の宛先
- 発行日・提出日
- 差出人の連絡先
- 請求金額
- 支払い期日
- 振込先・送金
- 支払いを催促する文章
- 入金確認時期
それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。
相手方の宛先
督促状を送る相手方の企業名を正式名称で記載します。企業名+御中とするのが一般的ですが、必要に応じて支店名・部署名や担当者名を記載することも可能です。
相手先が個人の場合、個人名で送られる督促状は強い印象を与えやすいため、あえて形式的な表現を使うのも1つの方法でしょう。たとえば、個人名よりも「会員様」などの事務的な表現にすることで形式的な印象を与えられます。
発行日・提出日
督促状の発行日または提出日を記載します。発行・提出の時点で支払い期日を過ぎていることを明確にし、相手方が早急に支払う必要があることを伝えるためです。
また、相手方から支払いに関する連絡が入った際、どの督促状に関する用件であるのかが発行日・提出日から特定しやすくなるでしょう。
差出人の連絡先
自社の企業名・担当部署・担当者名を記載します。必要に応じて担当者の上長の氏名も併記しましょう。
相手先が支払いに関する確認やお詫びの連絡をする際、基本的には督促状に記載した連絡先を使用します。連絡がつきやすい電話番号が記載されていることが重要であるため、必ずしも代表番号でなくても構いません。
請求金額
何の件に関する請求であるか、請求金額が具体的にいくらであるのかを明記します。最も重要な用件となるため、間違いのないよう十分に確認した上で記載しましょう。
記載する際には、先に送付した請求書を参照するのが最も確実です。金額が税込・税抜であるかも明記し、間違いなく請求金額が伝わるようにする必要があります。
支払い期日
支払い期日に関しても、漏れのないように必ず記載しましょう。本来の支払い期日をすでに超過しているため、支払い期日までの猶予はあまり長く確保する必要はありません。目安として、数日〜1週間程度確保すればよいでしょう。
期日を明示することで、早急に対処してもらいたい旨が相手方に伝わります。支払う意思があるかどうかを確認する意味でも、期日は必ず記載しましょう。
振込先・送金
代金の振込先や送金方法を記載します。金融機関名と支店名、口座種別・口座番号・口座名義を明記しましょう。後述する通り、督促状には請求書の写しを同封するケースが多いはずです。相手方が支払う意思さえあれば滞りなく支払えるよう、たとえ振込先や送金方法が請求書と同じであっても改めて記載することが大切です。
支払いを催促する文章
督促状は支払いを催促することが目的の文書ですので、支払いを求める文言を必ず記載しましょう。相手方との関係性によって、単に「必ずお支払いいただきますようお願い申し上げます」とするか、法的措置の検討に言及するかを判断します。
前述の通り、督促状自体には強制執行に関する法的な効力はありません。督促状をもって法的措置に踏み切ろうとしているかのような誤解を与えないよう注意しましょう。
入金確認時期
督促状を送付したタイミングで、相手方が入金していることも考えられます。督促状と行き違いで入金されていた場合を想定して、お詫びの一言を添えましょう。
また、入金した際には連絡するよう伝えておくのも1つの方法です。ただし、本来の期日を過ぎているわけですから、通常であれば連絡が必要な旨を改めて記載しなくても相手方から何らかの連絡が入るでしょう。
督促状の送付は事業者にとって重要な業務の一つですが、確認事項が多いことから多くの時間とコストがかかってしまいます。そこで、後払い決済サービスatone(アトネ)のように請求業務を一貫して行う代行サービスの導入がお勧めです。
督促状を発行する前に知っておきたいこと
督促状を発行するにあたって、把握しておくべきポイントがいくつかあります。とくに知っておきたい4つのポイントをまとめました。抜け漏れのないよう、必ず確認した上で督促状を発行しましょう。
請求書を再発行し同封する
督促状を送付する際には、どの件に関する督促であるかが一目で分かるよう請求書のコピーを同封するとよいでしょう。請求書に記載された支払期日を超過していることを改めて確認してもらうことができるからです。
ただし、再発行した請求書をすでに送付済みの請求書と混在して相手先が二重計上することのないよう、注意を促す必要があります。コピーであることを明確に伝えるために、朱書で「再発行」または「写」などと必ず記載した上で同封してください。
ただし、再請求の際に手数料や通信費、延滞利息などが発生している場合は別途記載し、請求書を再発行する必要があります。以前に送付した請求書と同一のものであるかが一目で分かるようにしておくことが大切です。
普通郵便で送る
督促状は基本的に普通郵便で送ります。前述の通り、督促状には強制執行に関する法的な効力はありません。あくまでも相手方に支払いを求めるための文書ですので、書留や内容証明郵便で送付する必要がないからです。内容証明郵便は紛争の防止や法的な効力の発生を考慮する場合の郵送方法のため、相手方に対して必要以上に心理的なプレッシャーを与えてしまう可能性があります。
ただし、後述する「催告書」に関しては法律的な文書としての意味合いが強いことから、内容証明郵便で送る必要があります。督促状と催告書の意味合いの違いを理解した上で、郵送方法を区別しましょう。
封筒の表書きは朱書き
督促状を封入する際は、封筒の表書きに「督促状」または「支払督促状」と朱書きで記載しましょう。専用の印鑑がある場合は表面に押印します。届いた郵送物の用件を相手方がすぐに察知できるよう、見やすく表記することが大切です。
督促状が届いていることを相手方が認識していない場合、他の郵送物に紛れて放置される恐れがあります。支払う意思がないのではなく、単に督促状の存在に気付いていない可能性もあるのです。こうした行き違いを避けるためにも、封筒の表書きへの朱書きを忘れないようにしてください。
督促状を送る時期
督促状は請求書の支払期日を過ぎた時点で送るのではなく、まず催促状を送るのが一般的です。催促状はあくまでも支払いを「促す」ための文書ですので、ニュアンスとしては督促状ほど強くありません。催促状には支払期日を明記し、期日まで支払ってもらうようお願いする文面を記載します。
督促状を送る時期としては、催促状に記載した支払期日を過ぎて1週間程度経った頃が妥当でしょう。請求書と催促状で支払いを促してもなお支払いが確認できない場合に送るのが督促状と位置づけましょう。
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督促状が届いても支払いがないときの対処法
督促状を送ったにも関わらず支払いが確認できない場合、督促状よりもさらに強いニュアンスを込めた「催告書」を送付します。
催告書とは正式な書面として発行される文書です。督促状が支払いを「依頼する」ための文書であるのに対して、催告書ではより強い文言で支払いを求めます。また、督促状は普通郵便で郵送する一方、催告書は内容証明郵便で送るのが一般的です。督促を行った事実を記録に残し、後に裁判になった際に証拠として提示できるようにします。つまり、催告書を送付する時点で債務者を紛争の相手方と見なしていることを意味するのです。
催告書を送付してもなお相手方に支払う意思が見られない場合、裁判所を通して「支払督促」を行う必要があります。支払督促とは裁判所から相手先に支払いを求め、相手方から異議申立てがない限り通常の判決と同じ効力が生じる制度です。
なお、民事訴訟に発展した場合は相応の手間・時間・費用がかかります。回収する金額を考慮した場合の費用対効果を慎重に検討する必要があるでしょう。
まとめ
督促状は相手方に支払いを依頼するための文書です。支払いを促す催促状よりも強いニュアンスが込められており、支払いを「求める」ことを目的とした文書といえます。督促状を送る際には、記載する事項に漏れがないか十分に確認し、適切な時期に送付しましょう。
なお、支払いの催促が頻繁に発生すると業務が滞る原因になりかねません。代金の回収をより確実に、効率よく進めるための選択肢の1つとして決済サービスを導入する方法が挙げられます。
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