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FBAとは|導入のメリットや手数料について

物販ビジネスに携わっている人やこれから始めたいと考えている人の中には、FBAについて詳しく知りたいと考えている人もいるでしょう。しかし、FBAは「儲からない」といった噂を聞いて不安になっている人もいるかもしれません。

FBAとは?

FBA(Fulfillment by Amazon)とは、商品をAmazonの倉庫に預けておくと注文処理から配送まで一括して代行してもらえるサービスです。注文を受けた商品の梱包や出荷・配送、決済、返品対応など、物販で発生する様々な作業をAmazonに委託することができます。

AmazonにはFBA専用の倉庫があるため、24時間365日いつでも対応可能です。販売事業者はAmazonが定めた方法でFBA倉庫に商品を送るだけでよく、注文が入るごとに出荷作業やユーザー対応に追われることがなくなります。

AmazonFBAはどんな人におすすめか

AmazonFBAは「儲からない」と考えている人や、そもそも自分が出品したい商品に適したサービスなのか不安に感じている人もいるでしょう。そこで、AmazonFBAがおすすめの人・おすすめでない人について解説します。

AmazonFBAがおすすめの人

販売したい商品点数が多く、長期的に商品を販売していきたいと考えている人にはAmazonFBAの利用がおすすめです。AmazonFBAを利用する具体的なメリットについては、次章で詳しく解説します。

AmazonFBAがおすすめでない人

低価格の商品を少量(〜10個程度)出品したい人には、AmazonFBAはおすすめできません。FBAを利用するには大口出品者として登録し、月額利用料4,900円+各種手数料を支払う必要があるからです。商品が一定数以上安定的に売れないと、利用料・手数料の元が取れない恐れがあります。

また、小口出品者として登録した場合、商品が売れるケースは稀と言わざるを得ません。次章で詳述しますが、大口出品者でかつFBAを利用するほうが圧倒的に商品購入率が高まる可能性が高いからです。低価格の商品を少量販売したい人は、フリマサービスやオークションなど、他の方法で販売するほうが適しているでしょう。

FBA配送を利用するメリット

FBA配送を利用すると、どのようなメリットを得られるのでしょうか。具体的なメリットとして次の5点が挙げられます。

  • Amazonプライム対象商品にできる
  • Amazonブランドで出品できる
  • ショッピングカートボックスで優先される
  • AmazonSEOにも有効
  • 業務負担が軽減する

それぞれ具体的に見ていきましょう。

Amazonプライム対象商品にできる

FBAを導入すると、Amazonで商品を販売する際にプライム対象商品にすることができます。Amazonプライムとは、優先的に出荷し配送にかかる日数を短縮できる有料会員サービスです。Amazonプライム会員にとって、配送スピードが他のECモールと比べて速いことはAmazonで商品を購入する決定打の1つとなり得ます。

実際、Amazonプライム会員のCVRは74%であり、非プライム会員との間には顕著な差が見られるのです。FBAを利用することでAmazonプライム対象商品として扱ってもらえれば、CVにつながる確率が大きく高まることが期待できるでしょう。

Amazonブランドで出品できる

商品をAmazonブランドで出品できることも、FBAを利用する大きなメリットの1つです。Amazonに出品されている商品には、Amazonから直接発送されるものと販売事業者から個別に発送されるものがあります。Amazonから直接発送されるAmazonブランド商品は、製品ページに「Amazon.co.jpが発送します」と表示されるのです。

Amazonユーザーは発送元がAmazonであるか購入前にチェックすることも少なくありません。発送元がAmazonであることがユーザーに安心感や信頼感をもたらし、購入を決断する決め手となることも考えられます。

ショッピングカートボックスで優先される

FBAを導入すると、ショッピングカートボックスで優先される可能性が高まります。Amazonでは複数の出品者が同一の商品を扱っているケースが少なくありません。ユーザーが商品を購入する際、ショッピングカートボックスに追加されるのは大半が最初に表示された商品です。ショッピングカートボックスを取得できるかどうかがCVに大きく影響します。

実際、Amazonの売上のうち8割以上はカートボックスを通じて生み出されているともいわれています。FBA導入によってショッピングカートボックスを優先的に取得できることは、より多くの売上を獲得する上で非常に重要なメリットをもたらすのです。

AmazonSEOにも有効

FBAに登録されている商品は、Amazon内で検索上位に表示されやすくなるといわれています。ユーザーが探している商品をAmazon内で検索した際、検索上位に表示されるよう講じる対策がAmazonSEOです。FBAの利用は、AmazonSEO対策の観点からも有効なメリットをもたらします。

もちろん、FBAに登録すれば必ず検索上位に表示されると断定できるわけではありません。直接的に大きな影響を与えるわけではないものの、検索順位に影響を与えると考えられる要素としてFBAの利用が挙げられているのです。

業務負担が軽減する

FBAを利用することで、注文から発送に関する業務全てをAmazonに任せることができるため、単純に業務負担が軽減することはメリットといえます。販売事業者にとって、注文の受付や梱包・発送などの作業は注文数が増えるほど大きな負担になっていくはずです。業務負担を軽減する方法が用意されていれば、さらなる売上伸長も目指しやすいでしょう。

また、商品の在庫をFBA倉庫に預けられるため、在庫保管のためのスペースを確保する必要もありません。省スペースの事務所や自宅でEC事業を営むことができ、効率よく販売することが可能となります。

FBA配送を利用するデメリット

FBA配送を利用することで、デメリットとなりかねない面もあります。次の2点に関しては、FBAを導入する際に十分検討しておく必要があるでしょう。

商品状態が確認できない

FBA倉庫に商品を預けると、以降は商品の状態を確認できなくなります。たとえば、販売事業者からFBA倉庫に届いた時点で商品が破損していたとしても、その事実を確認し商品を回収する手段がありません。FBA倉庫あてに商品を発送した時点で、商品の管理も含めてFBAに委託することになるからです。

また、注文が入りFBA倉庫から商品を発送する際も検品は行われないため、商品が破損していた場合はそのまま発送されてしまいます。商品の破損によるクレーム・返品のリスクが伴うことを理解しておく必要があるでしょう。

手数料がかかる

FBAを利用すると各種手数料がかかることもデメリットといえます。FBAを利用しない場合と比べると手数料が増えるため、各種手数料を織り込んだ販売計画を立てておきましょう。

通常配送の場合にかかる手数料は下表の通りです。大口出品の場合は登録料が月額固定であるのに対して、小口出品の場合は売れるたびに成約料が発生する点が異なります。

【通常配送にかかる手数料】

大口出品小口出品
月額登録料4,900円/月
成約料100円/商品
販売手数料8〜45%8〜45%
カテゴリー成約料80〜140円80〜140円

FBAを利用するには、上記に加えてFBAの手数料が必要です。手数料は販売時に必ずかかるものと、対応が必要になった際に随時かかるものの大きく2種類に分けられます。

【FBAの利用時にかかる手数料】

販売時対応時
配送代行手数料
在庫保管手数料
長期在庫保管手数料
返送・所有権の放棄手数料

FBAにかかる手数料一覧

FBAの利用時にかかる手数料について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

配送代行手数料

FBA倉庫から注文者へ商品を発送・配送する際にかかる手数料です。手数料は荷物のサイズと重量に応じて決められています。下表は、公式サイトに掲載されている配送代行手数料の一覧です。

FBA利用時にかかる配送代行手数料の一覧表

(Amazon公式サイトより)

なお、配送代行手数料には下記の作業が含まれています。配送そのものだけでなく、配送に付随する業務も込みの手数料である点に注意してください。

  • 注文商品のピッキング
  • 梱包
  • 配送
  • カスタマーサービス
  • 返品対応

在庫保管手数料

FBA倉庫で商品を保管・管理する際にかかる手数料です。在庫保管手数料は次の項目に従って計算されます。

  • 保管商品のカテゴリー
  • 保管時期
  • 商品サイズ
  • 保管日数

服・ファッション小物・シューズ・バッグを除くカテゴリーの商品は、下表の計算式によって在庫保管手数料が算出されています。

FBA利用時にかかる在庫保管手数料の一覧表(服・ファッション小物・シューズ・バッグを除くカテゴリーの商品)

(Amazon公式サイトより)

一方、服・ファッション小物・シューズ・バッグカテゴリーの商品は下表の計算式にて在庫保管手数料が計算されます。他のカテゴリーの商品と比べて単価が低く設定されているのが特徴です。

FBA利用時にかかる在庫保管手数料の一覧表(服・ファッション小物・シューズ・バッグカテゴリーの商品)

(Amazon公式サイトより)

長期在庫保管手数料

FBA倉庫での保管期間が365日を超えると、長期在庫保管手数料が追加で発生します。長期在庫保管手数料は商品1点あたり17.773円(10㎝×10㎝×10㎝あたり)+消費税です。FBAでの在庫チェックは毎月15日に実施されるため、15日の時点で保管期間が365日を超えた商品が対象となります。

FBA倉庫へ入庫後1年以上売れない見込みの商品については、後述する返送や所有権の放棄を選択するべきか判断する必要があるでしょう。

返送・所有権の放棄手数料

FBA倉庫の在庫を販売事業者あてに返送してもらう場合や、商品の所有権を放棄する場合にかかる手数料です。手数料は商品のサイズと重量によって決まります。

FBA利用時にかかる返送・所有権の放棄手数料の一覧表

(Amazonセラーセントラル公式サイトより)

商品のサイズや保管期間によっては、返送・所有権の放棄手数料よりも長期在庫保管手数料のほうが高くなってしまうこともあり得ます。商品ごとに各手数料を把握しておき、できるだけコストを抑えることが重要です。

FBAに関する疑問FAQ

AmazonFBAについて、よくある疑問と回答をまとめました。FBAの導入や運用時の疑問を解決する際に役立ててください。

FBA手数料を簡単に計算できるツールはある?

Amazonでは、FBA手数料を簡単に計算できるツールとして「FBA料金シミュレーター」を提供しています。販売する予定の商品に関する情報を入力すると、下記の手数料を試算することができるのです。

【FBA料金シミュレーターで試算できる手数料】

  • 販売手数料
  • 出荷費用
  • 在庫保管手数料
  • 商品あたりの月額保管手数料
  • 商品あたりの純利益・純利益率

上記以外にも、商品の原価や雑費を任意で入力することにより、さらに精度の高いシミュレーションを行うこともできます。また、出品者自身で出荷した場合とFBAを利用した場合の手数料・純利益の差異を比較することも可能です。

下図は箱の寸法15㎝×15㎝×5㎝、商品重量3kgのオフィス用品を1,000円で販売した場合のシミュレーション例を示しています。このように手数料を簡単に計算でき、販売した場合の純利益をあらかじめ把握することができるのです。

FBA料金シミュレーターにて、箱の寸法15㎝×15㎝×5㎝、商品重量3kgのオフィス用品を1,000円で販売する場合の手数料をシミュレーションした例

(Amazonセラーセントラル公式サイトより)

FBAマルチチャネルサービスって何?

FBAマルチチャネルサービスはFBAのサービスの1つとして提供されており、Amazon以外で販売している商品の出荷・配送をAmazonに代行してもらえるサービスです。ECサイトのほか実店舗で販売している商品に活用でき、出荷・配送をAmazonに外部委託できます。

出荷の際には、Amazonのロゴが印刷されていない無地の箱を使用することも可能です。全国にあるAmazonの倉庫に商品が配置されるため、商品を効率よく届けることができるでしょう。

FBAマルチチャネルを利用するには、FBAを利用して同じ商品が出品されていることが条件となります。出荷・配送を効率化したい場合は、FBAマルチチャネルを活用してみるとよいでしょう。

FBAを利用すると特典があるの?

FBAを利用すると得られる特典として「『初めてのFBA』特典」が挙げられます。FBAの利用が初回であれば、下記の特典を得られるのです。

【「『初めてのFBA』特典」】

  • 在庫保管手数料、返送・所有権の放棄手数料、購入者返品手数料が一定期間無料
  • 売上5%のリベート
  • 小型/標準サイズ商品の在庫保管手数料と返送/所有権の放棄手数料が無料
  • 大型サイズ商品の在庫保管手数料と返送/所有権の放棄手数料が無料
  • 服&ファッション小物とシューズ&バッグカテゴリーの小型/標準サイズ商品にはさらなる特典も

上記の特典を受けるには、大口出品者としてFBAを利用することが条件となります。初めてFBAを利用する方にとってお得な内容となっているので、ぜひ活用してください。

FBAを導入する流れは?

FBAを導入する際の流れは以下の通りです。

1.FBAに登録

まず、AmazonセラーセントラルのFBA登録ページより登録を行いましょう。

2.FBA倉庫に商品を発送

商品をAmazonに出品し、FBA在庫に指定します。その後、商品にAmazon配送ラベルを貼付してFBA倉庫へ発送すれば完了です。

まとめ

AmazonFBAを利用することで、注文処理や配送・在庫管理までAmazonに代行してもらえます。業務負担を軽減できるだけでなく、Amazonプライム対象商品にできたり、ショッピングカートボックスを優先的に取得できたりと、多くのメリットが得られるのです。ただし、FBAの利用には手数料がかかることをはじめ、いくつかのデメリットもあることから、導入の際は十分に検討する必要があるでしょう。

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