決済

QRコード決済のメリット・デメリットは?店側とユーザー側の視点で比較!

そもそも「QRコード決済」とは?

QRコード決済とは、いわゆる「スマホ決済」のひとつです。QRコードを読み取ることによって、ユーザーが設定している銀行口座やクレジットカードに金額が請求されて引き落としができ、決済が完了するというのが主な仕組みです。

QRコードには「ユーザースキャン」と「ストアスキャン」の2種類があります。まず、ユーザースキャンは、店舗が提示したQRコードをユーザーがスマートフォンで読み取ることによって決済をするという方法です。一方、ストアスキャンの場合は、ユーザーのスマートフォンに表示されたQRコードやバーコードを店舗側に提示することによって、それを店舗側が所有する専用のバーコードリーダーで読み取るというものです。

ここ数年で、スマホ決済をはじめとしたキャッシュレス決済が社会に浸透し、生活に身近なものとなっています。2019年の消費税増税の際には、キャッシュレス決済で支払いをした人にポイントが還元されるという制度が打ち出され、利用者が急増しました。また、2021年の東京オリンピック開催に合わせてキャッシュレス決済の利用が推進されたことも大きく影響しています。そんなキャッシュレス決済の中でも、利用頻度の高いものとして「バーコード、QRコード決済」を挙げる者の比率が、2022年には51.8%にまで増加しました。

▼キャッシュレス決済の種類や導入する時のポイントについて詳しく知りたい方はこちら

他の決済方法との違いは?

キャッシュレスでの決済方法にはさまざまな種類があり、クレジットカードやFelicaを利用したものなどが挙げられます。ただ、これらの決済方法とQRコード決済とでは、導入の手軽さが大きく異なります。導入の手軽さに関しては、店舗側とユーザー側の双方に見られるのが特徴です。たとえば、店舗側は最低限の設備と初期費用でQRコード決済の利用を始めることができます。一方、ユーザー側も専用のアプリをインストールするだけで利用ができるため、スマートフォンを持っている人なら誰でも簡単に使うことが可能です。

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QRコード決済の店舗側のメリット・デメリット

QRコード決済を導入するときには、「具体的にどのようなメリットがあるのか」という点を把握しておく必要があります。ここでは、QRコード決済を導入することによるメリットについて、店舗側の立場から詳しく説明していきます。

店舗側のメリット

QRコード決済を導入することは、店舗側にとってもたくさんのメリットがあります。ここでは、店舗側のメリットについて具体的に説明していきます。

売上アップにつながる

店舗でQRコード決済が利用できると、売上アップにつながる可能性があります。日本では、店舗によってはさまざまな決済方法のなかから自分が好きなものを選ぶことができます。そのため、店舗がQRコード決済を導入していれば、その決済方法を利用したい人から選んでもらいやすくなるというメリットにつながるのです。

また、国内向けのQRコード決済のサービスを提供している企業によっては、利用促進のためにポイント付与やクーポンの発行など、さまざまなキャンペーンを実施しています。店舗側がQRコード決済を導入していれば、キャンペーンの期間中には特にユーザーを集めやすいというメリットにもつながります。店舗でQRコード決済の利用が可能であるということを分かりやすく示すことができれば、顧客の囲い込みも期待できるようになるでしょう。

インバウンドの集客も期待できる

QRコード決済は非常に便利な決済方法であるということは分かっていても、日本ではそれほど利用者が多くないのが実情です。しかし、海外ではすでにキャッシュレス決済が主流となっており、特に中国でQRコード決済は広く浸透しています。そのため、QRコード決済に対応していると、インバウンドの集客がしやすくなるという点もメリットのひとつです。たとえば、日本の有名観光地では海外からの旅行客が増加傾向にあります。外国人はQRコード決済に慣れているため、「QRコード決済が使えない」というだけで不便さを感じてしまう人も少なくありません。もし、周辺のライバル店がQRコード決済を導入していないのであれば、自店で一足早く導入すると差別化をはかることにもなるでしょう。

導入のための費用が安い

新しい決済方法を導入するときには、ある程度のコストがかかります。そのため、必要となる費用があまりにも高すぎる場合は、導入をためらう要因のひとつとなるでしょう。QRコード決済の場合は、他のキャッシュレス決済よりも安い費用で導入できるというメリットがあります。

たとえば、電子マネーやクレジットカード決済の場合、店舗側はカードリーダー端末を用意する必要があります。カードリーダー端末を購入しなければならないとなると、それだけで場合によっては6~8万円程度のコストがかかる可能性もあることから、導入をためらう可能性もあるでしょう。

一方、QRコード決済に関しては、スマートフォンやタブレットでQRコードの読み取りを行います。サービスを提供している企業のなかには、初期費用を安くするキャンペーンを行っているところもあります。初期費用を抑えることがきれば、小規模な店舗でも気軽に導入できるようになる点はメリットのひとつです。QRコード決済の初期費用が気になる場合には、キャンペーンの利用も検討してみましょう。

釣銭が必要ない

支払い方法が現金のみの店舗の場合は、毎日ある程度の釣銭を用意しておく必要があります。しかし、QRコード決済なら現金を扱う必要がないため、釣銭を渡す手間が省けるという点はメリットです。また、会計で現金のやり取りをするときには、釣銭の計算など人為的なミスが起こる恐れがあります。現金にまつわるミスはクレームにつながる可能性が高いため、クレームを極力減らすためにも店舗側はQRコード決済を検討してみると良いでしょう。

ただ、QRコード決済を店舗側が取り入れたとしても、現金をまったく扱わなくて済むということにはなりません。しかしながら、店舗でQRコード決済を利用する人が増加すれば、レジに保管しておく釣銭は少なくて済みます。レジに保管する現金が少なくなれば、毎日のレジ締めの作業も楽になります。加えて、レジに常時現金があると店舗としては防犯にも力を入れなければなりません。そのため、レジの現金をできるだけ少なくしておくことによって、防犯になるというメリットもあるのです。また、飲食店などの場合、従業員が会計のたびに釣銭に触らなければならないとなると、衛生上の問題も心配されます。QRコード決済なら釣銭に触る必要はなく、より衛生的に業務に携わることができるようになります。

店舗側のデメリット

QRコード決済を導入するなら、店舗側のデメリットも把握しておくことが欠かせません。ここでは、店舗側のデメリットについて見ていきましょう。

利用者がまだ少ない

海外と比較してみると、日本ではキャッシュレス決済の普及が遅れています。そのため、QRコード決済の認知度についてもそれほど高くはありません。実際のところ、QRコード決済を利用している日本人は多くはないという問題があることから、店舗側も導入をためらっているという見方もできます。ただし、国や大手企業もキャッシュレス決済を推進しているため、今後は利用者が増加する可能性もあるといえます。

すり替えが起きる可能性がある

QRコード決済のデメリットとして、店舗のQRコードのすり替えが起こる可能性があるという問題が挙げられます。QRコード決済のなかには、あらかじめ紙に自店のQRコードを印刷したものを読み取る「静的コード決済」という方法もあります。静的コード決済を導入すると店舗側は端末を用意する必要がないことから、アジア諸国などではこの決済方法が取り入れられていました。

しかし、中国でQRコードを印刷した紙がすり替えられて第三者に送金されてしまう詐欺事件が多発したことにより、セキュリティ面での問題も指摘されるようになってきたのです。ただ、店舗側が正しい対策を講じることによって、QRコードのすり替えを防止することは可能です。もしQRコードのすり替えを心配しているのであれば、次の段落で紹介する対策を実践してみましょう。

QRコード決済のユーザー側のメリット・デメリット

QRコード決済を導入することで得られるメリットは、店舗側に限ったものではありません。ここからは、ユーザー側のメリットとデメリットを紹介していきます。

ユーザー側のメリット

QRコード決済を導入すれば、ユーザー側にとってもたくさんのメリットがあります。ユーザー側のメリットについて、正しく把握しておきましょう。

スムーズに会計ができる

QRコード決済が利用できれば、会計をスムーズに済ませることができます。会計時に財布のなかから必要な分だけ現金を数えて渡すのは、時間も手間もかかります。しかし、QRコード決済を利用すると、財布から現金を取り出す必要がなくなるのです。そのため、渡した現金を従業員が数える時間を待つ時間はまったくなくなります。

また、QRコード決済を導入している店舗では1回あたりの会計の時間も短くなります。店舗によってはレジに長い列ができる場合もあるでしょう。たとえば、朝の通勤の時間帯にレジが混雑していると店舗を利用すること自体がためらわれる可能性もあります。QRコード決済の利用が活発になればなるほど、会計を待つ長い列もできにくくなるのです。特に、急いでいるときなどに短時間で買い物を済ませたい場合、QRコード決済ならスムーズに会計が行えます。

割引やポイントを利用できる

キャッシュレス決済は日々進化しており、さまざまな決済方法が発表されています。そのため、ユーザーが選ぶ決済方法によっては、クーポンの利用で割引があったり、ポイントを利用ができたりするなどのメリットがあります。QRコード決済の場合、利用するとそれぞれ独自のポイントが貯まることから、結果的にお得に店舗の利用ができるようになるでしょう。

また、クレジットカードとリンクさせている場合には、クレジットカードとは別にポイントが貯まるものもあります。ポイントが2重で貯まるとよりお得に買い物ができるようになり、節約にもつながります。さらに、アプリによってはさまざまな割引クーポンが定期的に配布されることもあるという点も特徴のひとつです。QRコード決済で支払った金額に応じて、ポイントを還元するというキャンペーンが定期的に実施されているため、キャンペーンを賢く活用していきましょう。

現金を持たなくてよい

自身のスマートフォンでQRコード決済ができるように設定しておけば、財布や現金、クレジットカードを持ち歩かなくても買い物できます。たとえば、現金を中心とした支払い方法が主な人の場合、現金がなくなると近くにあるATMまでお金を下ろしに行くというのが一般的です。この方法は、時間も手間もかかるというデメリットがあります。加えて、店舗の近くにATMがない場合には、現金を下ろすことさえ容易ではありません。

QRコード決済のユーザーは、手元にスマートフォンさえあれば現金の持ち合わせがないときでも決済を完了させることができます。財布を自宅に忘れたり、万が一紛失したりしたときでも、スマートフォンを持っていると必要な物の購入ができるので便利です。

何にいくら使ったか把握しやすい

選択する決済方法によっては、「何にどれだけのお金を使ったか」というお金の流れが把握しづらいものもあります。しかし、QRコード決済の場合は、アプリで購入履歴や明細をまとめてチェックすることができるため、具体的なお金の流れを確認しやすいという特徴があります。お金の流れを常に確認することができれば、使い方を見直したり、使いすぎを防いだりするのにも役立つでしょう。

また、QRコード決済のアプリのなかには、個人間での送金や割り勘の機能がついているものもあります。これらの機能は、さまざまな生活シーンで使えるものです。たとえば、会社の飲み会や忘年会などでは食事代を割り勘することもめずらしくありません。ことのとき、参加者が幹事に対して現金を渡すというやり取りは、場合によっては大きな手間がかかる可能性があります。特に、飲み会の参加者が多い場合などには、会費を集金するだけでひと苦労です。

さらに、QRコード決済なら支払いの記録が残せるというメリットもあります。そのため、割り勘の際に集金し忘れるのを防ぐこともできます。加えて、従来の現金による集金では幹事がお釣りを現金で用意しなければならない場合もあったでしょう。参加人数が多くなればなるほど、お釣り用に細かい現金を用意するのはとても大変です。アプリの機能を使えば、細かい現金の用意がないことが理由でお釣りが渡せなかったという事態もなくなります。

ユーザー側のデメリット

QRコード決済には、ユーザー側にもたくさんのメリットがあります。しかし、デメリットもあるのです。そのため、導入を考えているのなら、ユーザー側のデメリットについても把握しておきましょう。

利用できない店もある

QRコード決済は、すべての店舗で利用できるわけではありません。QRコード決済を利用する場合は、ユーザー側の登録だけでは不十分で、店舗側もその決済方法のアプリに対応している必要があります。そもそもQRコード決済には対応していないという店舗もあるので、ユーザー側がQRコード決済を利用するつもりで来店したとしても、支払いは現金で行わなければならなかったというケースも実際にはあるでしょう。

さらに、店舗のなかには、QRコード決済に対応しているにもかかわらず決済方法が明確に示されていないがゆえに対応可能かどうかが分かりづらい場合もあります。QRコード決済を使いたいなら、店舗を利用する前に利用可能かどうかをしっかりと確認しておくと安心です。

スマホがないと利用できない

QRコード決済は、スマートフォンを所有していることを前提とした決済方法です。そのため、ユーザー側がスマートフォンを持っていなければ、この決済方法を選択することはできません。加えて、スマートフォンを忘れて出かけたり、紛失してしまったりした場合にも利用できないという点はQRコード決済のデメリットといえるでしょう。

さらに、スマートフォンを持っていたとしても、会計時に充電が切れている状態では利用不可です。QRコード決済の場合はアプリを起動する必要があるので、会計時のバッテリー切れは避けたいところです。加えて、スマートフォンの通信環境によっては、QRコードの読み取りが上手くいかないケースもあります。処理に時間がかかる場合もあるため、スマートフォンの環境に依存する点もデメリットといえるでしょう。

QRコード決済を導入する際のポイント

QRコード決済を導入する際にはポイントを理解しておき、スムーズに利用を始めることが大切です。ここからは、QRコード決済を導入するときに把握しておきたいポイントについて見ていきましょう。

QRコードの扱いに注意する

QRコード決済を導入するときには、QRコードの扱いに注意する必要があります。QRコード決済のやり方は、「QRコードを読み取る」というとてもシンプルなものです。これは、店舗側とユーザー側の両方にとって大きな魅力となります。しかし、簡単な決済方法であるがゆえに、QRコードは慎重に扱うことが求められるのです。たとえば、QRコードのすり替えのリスクです。QRコードのすり替えを防ぐためには扱いに注意するだけでなく、セキュリティ面を強化しておくことが欠かせません。

たとえば、店舗側が静的コード決済を導入している店舗の場合、QRコードを印刷した紙を用意しておき、それをユーザーが自身のスマートフォンで読み取るという方法で決済を完了させます。この場合、すり替えを防ぐためにも、QRコードは紙に印刷するのではなく、端末で表示するようにしたほうが不正を働きにくくなります。すり替えなどのトラブルを防止したいなら、店舗側はユーザースキャンではなくストアスキャンを選択するようにしましょう。

仕組みをきちんと理解して利用する

QRコード決済は、店舗側とユーザーがスムーズに会計を行うことができるという点が最大の魅力です。ただ、店舗側が仕組みを正しく理解し、利用する際の流れを把握しておかなければ、利用の際に手間取ってしまう恐れもあるでしょう。

まず、QRコード決済では、情報漏洩などの問題を心配する利用者は少なくありません。しかし、QRコード決済に関しては、店舗側が顧客の個人情報に直接触れる可能性は極めて低いといえます。加えて、QRコード決済のデータは暗号化されたうえで管理を行っている企業の決済システムに送付されます。そのため、現金やクレジットカードなどの決済方法よりもセキュリティ面で安心です。

次に、QRコード決済で支払いが完了したかどうかについては、店舗側が一覧で確認できる仕組みとなっています。ただし、アプリによっては決済が完了したときに音が鳴るものもあるので、店舗スタッフと顧客の双方が確認しやすいというメリットもあるのです。店舗側がQRコード決済についてきちんと理解していなければ、ユーザーに不安を与える可能性もあります。特に、会計に携わるスタッフには、QRコード決済の仕組みや利用の際の流れを徹底して伝えておくことが大切です。

▼QRコード決済の仕組みについて詳しく知りたい方はこちら

QRコード決済・バーコード決済とは?仕組みから導入、選び方のポイントまで解説!

利用を積極的によびかける

日本国内でQRコード決済を利用している人は、それほど多くはありません。しかし、国や大手企業はキャッシュレス化を推進していることから、QRコード決済にも大きな期待を寄せているのが実情です。そのため、QRコード決済は、今後さらに多くの人が利用する可能性がある決済方法といえるでしょう。

店舗でQRコード決済を導入したら、「QRコード決済が利用できる」ということを顧客に向けて積極的にアピールしていくことが大切です。たとえば、店頭にポップを掲示しておくなどすると、ユーザーに気付いてもらいやすくなります。店舗が道路に面している場合には、のぼりを設置しておくととても目立つので高い効果が期待できるでしょう。

また、QRコード決済を導入している店舗では、決済方法が新規の顧客を集めるきっかけとなる可能性もあります。顧客のなかには、決済方法の便利さなどで店舗を利用するかどうかを決めている人もいます。店舗側が決済方法の幅を広げていけば、その分顧客からも選んでもらいやすくなるのです。新規顧客が増えると店舗の売上アップにつながる可能性もあるため、QRコード決済の利用を積極的に呼びかけていきましょう。

QRコード決済のメリット・デメリットをしっかり把握しよう

店舗運営を行っている事業者のなかには、QRコード決済の導入を迷っている人もいるでしょう。QRコード決済の導入にはたくさんのメリットがある反面、デメリットもあります。そのため、QRコード決済の特徴やメリット・デメリットをしっかりと把握したうえで、自社の事業に対して具体的にどのような価値をもたらすかを考えながら、導入を検討していくと良いでしょう。

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atone(アトネ)」は、クレジットカードのいらないスマホ決済サービスです。利用するときには面倒な書類手続きは一切なく、簡単な会員登録のみでQRコード決済を始めることができます。

また、atoneの場合は、普段クレジットカードを使っていない現金払いを重視するユーザーにとっても使いやすいサービスとなっている点も特徴です。決済を完了させた後は、翌月に請求書が届くのを待ちます。請求書が届いたら、近隣のコンビニで1カ月利用した分をまとめて現金で支払いを行うことによって精算が終了するのです。

さらに、atoneのユーザーの場合は、利用した金額の0.5%をポイントとして貯めることができるので継続的な利用も促せます。ポイントが貯まったら、そのポイントを使って再び買い物ができます。これは、ユーザーの立場から考えるとお得なサービスといえるでしょう。加えて、購入履歴や利用金額などをスマートフォンで確認できるため使いすぎを防ぐことも可能です。「できるだけ現金を使って買い物をしたい」という人がキャッシュレス決済を利用する場合は、atoneの利用が向いているといえるでしょう。

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